涼元悠一、『ノベルゲームのシナリオ作成技法』

ノベルゲームのシナリオ作成技法

ノベルゲームのシナリオ作成技法

技法紹介はもとより読み物として楽しめる辺り、流石涼元先生といった所でしょうか。
この本の中では、心構え、技法、製作過程のそれぞれが大まかに網羅されています。
心構え(1・2・8章辺り)の部分は、かなり基本に徹しています。読者層を鑑みれば、当然と言えば当然かもしれません。が、制作者を志している人が読んたとした場合、この辺りで感銘を受けまくってるようだとちょっとまずい気がします。
技法に関しては、元小説畑な方だけあります。太刀打ちできる気すらしません。地の文の重要性が疎かにされている、というのにはちょっと驚きましたが(俺は凄く重要だと考えてました。と同時に、駄目作品においてどれだけ疎かかも感づいてはいましたが……)。
製作過程は……うん、同人ゲーだとまずやってませんね。丸ごと使えるかどうかは別ですが、参考にする価値は十分にあるかと思います。

  • 制作者を志している側の方で、在る程度(以上)のスタンスを確立できている人
  • 創作に興味は無く、読み物として読みたい人

にはお勧めです。逆に、

  • 完全な素人
  • 文章を書いてみたいと思ってはいるが、実製作に着手したことがない方

には、ちょっと危険かもしれません。
先にも書きましたが、「自力で気づかないとちょっとまずい」レベルの話も含まれているので。
また、ある程度分かっている事が前提になっている項目が存在する、というのもあります。
その場合、ある程度創作に慣れた段階で読んでみるのが良いかと思います。


良い本です。お勧め。
Keyについてご存じの方は、文中のネタ元が大体分かるのでさらに楽しめます。
特に、某社長。丸わかりってレベルじゃ(ry